重々しい印象の玄関扉を開けると、整然と並べられた上履きが目に止まります。出てこられた女性に入浴の旨を伝えると、物腰柔らかく対応していただき、浴場のほうを案内していただきました。長い廊下を進むと浴場です。思ったよりもコンパクトな脱衣所は、隅々まで清掃・整理されています。
扉を開けると、内湯に設けられた広いガラス窓の向こうに黄金色に輝く湯の露天が目に飛び込みます。湯の成分が醸し出したと思われる色合いは、折からの日差しを受けて美しい光りを放っています。
内湯は長方形の浴槽で、一つの角が湾曲した優しい形です。洗い場のタイルは滑らないようにソフトな凹凸が施されているようです。内湯には温泉成分がクリーム色の辺となり浮かんでいます。内湯を溢れる湯は、露天へ流れます。
露天の淵には温泉成分が作る堆積物が独特の模様を描いています。塀に風景を楽しもうとする思いは遮られますが、伸びた梅の枝にはほころぶ花が見え、抜ける青空が露天を魅力的に思わせます。
内湯の湯口から注がれる湯を口に含むと、甘さを帯びた酸味が広がります。
宿の湯には雑踏の騒がしさはなく、ひとりっきりの静けさだけが流れ去っていくようです。
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長湯温泉 御宿 友喜美荘
竹田市直入町長湯7497-1
0974（75）3000 HP
含二酸化炭素-マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉
46.6℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯 露天
500円
13：00～20：00
2013/3/9