湯坪温泉 民宿なか

人と車が往来する飯田高原の賑わいとは無縁だ。湯坪温泉には風に揺れる深い緑の風景が広がり、傾斜地には民宿が立ち並ぶ。温泉街の手前から幹線である県道40号は細くなる。
案内板に従い狭く急な路地を上っていくと、宿は思いのほか広い駐車場を有していた。正午過ぎ、呼び鈴を押し立ち寄り湯をお願いする。露天または内湯に入ることができるが、露天はまだ湯が十分ではないとのことで内湯をお願いする。




駐車場の一角、母屋とは別棟に浴舎が建つ。「天望湯」と書かれている。男女の別はなく、脱衣所も浴室もひとつだけだ。
入口に大きな札がある。「ただいま空いています」と表示されている。入浴の際はこの札を裏返し「入浴中」とする。石段を上がると右手に脱衣所がある。狭いが貸切での利用なら問題ない。
浴室のほとんどを浴槽が占める。岩で組み上げられている。大きく設けられた窓にはフィルムが貼られ、外から見えない工夫が施されている。




その窓を開けると泉水山を正面に眺めながら湯を楽しめる。内湯ではあるが露天のような解放感が体感できる。高い場所に位置する浴場ならではの眺望だ。湯口からは透明の湯が注がれる。臭いは感じない。至って素直な印象を肌に残す。湯は協同管理されている。ひとつある洗い場にも温泉が供給されているようだ。シャンプー類も備わる。注がれる湯に比例して溢れた湯は去っていく。




こちらの民宿に行き着く前、二つの民宿で入浴を断られた。いずれも湯が溜まっていないとのことだ。湯坪温泉で正午前後に立ち寄り湯をお願いする場合は事前に問い合わせたほうがよさそうだ。


湯坪温泉 民宿なか
玖珠郡九重町大字湯坪1016
0973(79)2442 HP
単純温泉
76.8℃
シャンプー類あり ドライヤーなし
内湯 露天
300円
営業時間は要問合せ
2015/7/20